『希望の糸』
東野圭吾、2019年。
小さな喫茶店を営む女性が殺された。加賀と松宮が捜査をしても
被害者に関する手がかりは善人というだけ。彼女の不可解な行動を
調べると、ある少女の存在が浮上する。
一方、金沢で一人の男性が息を引き取ろうとしていた。彼の遺言書
には意外な人物の名前があった。彼女や彼が追い求めた希望とは
何だったのか。
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加賀シリーズ、久々に読みました。
と言っても加賀刑事は主任になっていたので、主に捜査に当たった
のは松宮刑事でしたが。
冒頭から、全く異なる二つの物語が始まります。
どちらも親子の、血の繋がりの話です。
たぶん「そういう」話なんだろうな、という予測はつくのですが、
じゃあ何故「そういう」ことになってしまったのか?ということを
解き明かしていく物語でした。
その人物の人となりを見て、何故このひとがそんな行動を起こした
のか?どういう結末だったら読者として納得するのだろうか?と
考えながら読みました。
殺人事件の犯人が判明した後も、「なぜ?」そして「どうする?」が
続きました。
誰かの人生を大きく左右してしまう事実を、どう対処すればよいのか、
皆が悩んで悩んで考え抜いて、事態を動かしていく....
あぁ、なんか誰も悪くなかったのになーって思う。
加賀刑事のお父さんが亡くなった「赤い指」を思い出しました。
あれも非常に印象に残る親子の物語でした。
ラストは、この作家は現実離れしたハッピーエンドにはならないと
思っていましたが....どうでしょうか。
ワタシはこのくらいの結末がちょうど良いなと思いました。
久々に東野圭吾にハマりました。
次は何を読もうかな?
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